
よみがえれ、
日詰平井邸
醸造所。

新たな歴史の始まり。
自由の酒、クラフトサケ。
かつて私たち平井家が日本酒を醸していた日詰平井邸に残る仕込蔵を、100年の時が流れる醸造所として現代によみがえらせる挑戦が始まりました。私たちが造るのは、日本酒と同じく「米と水で醸したお酒」です。歴史の中で培ってきた日本酒の製造技術をベースとし、紫波の風土に育まれた様々な副原料を加えたクラフトサケをみなさまにお楽しみいただきます。日本酒に極めて近い香味を持ちながら、様々な素材が持つ個性を自由に、豊かに、表現します。
酒のまち紫波への回帰
平井家が家業として酒造業を創業したのは安永年間(1772年)のことです。6代目平井六右衛門が酒造を本格的に開始し、以後およそ250年の間、日本酒を造り続けてきました。原敬首相をお招きした平井邸の母屋の奥には、昭和初期に盛岡に移転するまで酒が仕込まれていた蔵が残っています。

なぜ、醸造所を復活させ、再びお酒造りを始めるのか。
それは、醸造こそが、私たちが代々培ってきた技術、歴史、想い、そして日詰平井邸という存在を最もわかりやすく表現できる方法だと考えるからです。

紫波は、岩手県の県庁所在地である盛岡から車でおよそ40分ほど南下した、人口3万3000人の小さな町です。農業が盛んに営まれており、稲作はもちろんのこと果樹も多く、高品質なリンゴやブドウ、ラ・フランスなどが栽培されています。また、日本三大杜氏に数えられる南部杜氏のゆかりの地とも言われ、酒造りが地域に深く根付いており、文化としてお酒が人々の生活と深く関わっている風土があります。

私たちの先祖は、なぜこの土地でお酒造りを商いに選んだのか。それはもう知る術は残されていませんが、再び平井邸でお酒が造られ、街のみなさま、紫波を訪れるみなさまの「まちの家」として現代によみがえることで、その答え、想いを多くの人と共感できる日が来ると信じています。
「サケ」のもうひとつの可能性を醸す
私たちが日詰平井邸に復活した醸造所で造るのは、日本酒と同じく「米と水で醸したお酒」です。南部杜氏のふるさとで磨き続けてきた日本酒の吟醸技術をベースとしながらも、フルーツやハーブ、スパイスなど自由に副原料を加え発酵させたクラフトサケ(※)をみなさまにお楽しみいただくため、2つのラインナップを開発中です。

※クラフトサケとは:日本酒の製造技術をベースに、日本酒では法律的に製造することができない自由な製法によって酒造りを行う新しいジャンル。日詰平井邸醸造所が造るお酒の税法上分類は「日本酒(清酒)」ではなく「その他の醸造酒」です。


① Re:vive (リヴァイヴ)
米と米麹で仕込んだもろみの一部に、紫波の特産であるもち米の発芽玄米麹を副原料として加え発酵させます。文字通り「米と水で醸したお酒」です。
もち米は、日本酒造りにおいては取り扱いが困難で、一般的にはあまり使用されません。しかし、適切に処理をすることでうるち米に比べて糖化しやすいという特長があります。さらに、精米しない玄米を発芽させることで、米に含まれる栄養分を無駄なく酵母に供給し、発酵を促すことができます。
仕上がったお酒は日本酒に極めて近い香味を持ちながら、特有のふわりとした豊かなニュアンスを持っています。白米に低精白米を使用した「空我-くうが-」と高精白米を使用した「無涯-むがい-」の2種。また、コンセプトの由来になった英単語「revive」は「復活」を意味しており、「re + vive」から成り立つ言葉です。酒造りとは米や麹菌、酵母、そして人間などの様々な生命の営み(=vive)が凝縮し、調和させることであるという考えを大切にしております。

② layer (レイヤー)
Re:vive をベースに、紫波の特産である果物をもろみに加え、スパイスやハーブ、ウッドチップなどを添えて自由な発想で醸造します。
日本酒の製法では認められていない多様な副原料を発酵に取り入れることで、既存の概念に囚われない新しい味わいを表現することが可能になります。リキュールのように仕上がったお酒に副原料を合わせるのではなく、醸造段階で一緒に発酵させることで、幾層にも重なり合った奥行きのある味わいを実現できることが、醸造酒の醍醐味そのものと考え「layer(層)」と名付けました。
私たちが醸したいお酒は、長い歴史の中で法制や市場によって実現されることの無かった、もうひとつの日本酒の可能性です。


スケジュール
2023年2月14日 クラウドファンディング開始
4月 種蒔き
5月 田植え
7月 醸造所工事開始
9月 順次 醸造機器搬入、稲刈り
10月 醸造所稼働開始、初仕込体験会※後述リターン
11月 初搾り、瓶詰
12月 順次 クラウドファンディングリターン発送
10,511,490円
応援購入をお預かりしました
醸造所の復活に向け、 Makuake にてクラウドファンディングに挑戦いたしました。
当初目標250万円を初日達成し、募集終了までに470名の方から10,511,490円もの応援購入をいただきました。
本当にありがとうございます。
リターンである初回醸造ロットは12月上旬頃お届け予定です。
どうぞ引き続き、日詰平井邸をよろしくお願い申し上げます。
Makuake応援購入者様
※希望者のみ※敬称略
株式会社LOSS IS MORE,SPICE COFFEE LAB,田口酒販株式会社,未来日本酒店,リカーポート蔵家,べんのや酒店,相原酒店,ユナイテッドファーファ,酒舗三鷹 碇屋,SAKE Street,つじむら酒店,リカーコートプロースト,日本酒専門店ましだや,有限会社福来屋酒店,地酒仙丸,美好屋酒店,有限会社キングショップ誠屋,浜田屋酒店,有限会社アサクラ酒店,酒舗 稲村屋,酒ハウスモリモト,melked本店,酒商菅原,山田 徹,茨城県日立市のがみ酒店,小川屋酒店 小川康介,三代目田中商店,地酒のまるしん商店,近藤光徳,すずけいでんき,有限会社遠田酒店,石亀賢一,取手の地酒や中村酒店,有限会社 酒屋の宇山,いとみゆ,つけたろう酒店,sake。,松葉,地酒本舗 小島屋,盛岡十一屋,鎌田若也,ハタ酒店,千田,大坂屋本店,RYOU OZAWA,高橋幸人,株式会社NUE 生内さくら,伊東優,齋田篤・明日香,藤村文昭,東舘昂,福岡雄治,瀬端孝治,一般社団法人いわて圏,森三奈・ウィーン,森義真・近代文学研究,水本孝,わたるおのくん,平井衛,Saki Kimura,ヨシオ,宮澤優輔,小向福利,GASHUE加古史明,荒川鉄平,もりっちょ,リカ美容室,笹口亮介,株式会社YUNEL 髙橋裕也,Kentaro Sawano,KKCB,ゆうちょう,小野透和,木村格,つきや酒店4代目・柱 知香良,Y.FUKUDA,田端優毅・田端瑞歩,岩手大好き人 乳井,尾形正人,チーム山﨑@福岡,杜のこども,井上薫,大友好司,髙橋真悟,横沢きく,佐々木一秀,中村浩,なかがわもとみつ,ムラヤマアヤノ,江尻容子,金澤宏俊,いなだ珈琲舎,山崎慎一,及川翔,トラベル・リンク株式会社,おちまま,ほのか(しわりり),ミミー,ゆうと,三原浩昭,咲良と雄大,酒と肴ひらの,中央商事,細川高幹,戸塚美朝,天狗寿司,阿部翔太,相澤純,坂本泰子,後藤良平,山本たか,小林恵悟,橋本忠一,村上紘一朗,須川翔太,サケラボ 甲斐,おおたにひろき,べき,前川尚登,藤江康弘,Mikihisa Hirai,佐々木将希,かぴたん,寺嶋剛弘,上野純也,水戸秀一,大橋花世,工藤監子,古高俊也,福島啓太,及川道晴,藤村洋樹,西堀健,慶越秀則,中出弘之,和酒BAR みまる,佐々木聖,株式会社蔵楽 髙橋理人,ハッピー太郎醸造所,牧野弘明,齋藤直巳,たつみ,駒形春樹,nihonsyutagram,にほんしゅ(漫才師),岡田菜月,こ,浜口正尚,工藤慎也,田中直喜,纐纈建人,足利文香・庄司健,梶山貢司,矢板橋芳生・真由美,錦織祐一,高橋竜介,二唐洋,齋藤翔太,鷹觜賢次,じゃじゃめん八番,しわりり ひやま,キクチカズキ,平井州治郎,二戸浩平,阿曽明子,鶴卷徹,高橋 一人,木村仁士,吉田誠毅,清水光,森川高博,高橋芳和,山村啓,鈴木絹子,edokkoakira,村上慶子,堀内,山脇こうこ,木本硝子株式会社,新武,gusco,高村裕子,吉田順一,田口敬子,佐藤大晟,北浦美歩,佐藤重昭,川村龍雄,鴨下時也,山野下美咲,田中誓,藤原和岐,澤田憲,平井英一郎,滝浦裕,藤巻T・M・m,及川一渉,高屋敷順子,さとうひでき,佐々木徳子,齊藤達也,山口勝洋,大坪リズム,高橋駿平,伊藤南,佐々木敦斗,菅野弘美,新井田由美,横山潤,中谷恭子,中村侑哉,高橋智,Ashida.K,徳山己,旬の一Bon,佐藤善通,大村慧,澤田延幸,野澤康,松平隆寿,髙橋基,佐藤汐菜,柾谷祐介,谷崎公紀,千葉隆治,横藤壽,黒田篤史,諏訪泰幸,鎌田出,坂本正行,前川さやか,酔いどれんぬ,大沼全,雫石湧,小野田美都江,阿部裕太,坂本信行,菅野美奈,女ヶ沢家,山田浩貴,高橋敏弘,影山桂子,宮川卓,haccoba 佐藤太亮・みずき,永山光悦,たっしー,氏家 健太郎,照井智子,のんちゃん ,石沢友紀,ツバキアンナ,小松裕恵,中野岳史,中村祐輔,塩野谷裕之,フジワラヒロミ,いしい,菊地悠平,地下有可里,吉田宇是,佐藤徳政,伊藤向子,阿部周平,齋藤純,昆なつみ,佐々木恵子,真野遥,日野浦光,川村駿明,佐藤コージ,川村浩平,YAMAGISHI HIRONORI,トキオモイ,ひととき写,北原啓司,田口賢一,菅原浩二,佐々木晟,高橋由郎,田村妙子,サケボトラーズ,杉山育美,鈴木千春,おおたにひろき,小野寺桃奈,高橋香菜子,山崎慈三,圭,かわむらみねこ,すずきけいいち@いせはら,sou,藤澤義美,鎌田1001,こうま駅前デンタルクリニック,山本修平,あまのさくや,藤田陽介,中村祐紀,古希日和,maoの悪巧み,佐々木勉,がらぽん,大谷晃,石井和喜,YSまほろば,清水唯一朗,大場彬央,太田の家族,松岡秀夫,星麻希,優,しもまっち,佐藤徹,すしログ 大谷悠也,川村雄,星洋治,ぷくぷく醸造,白雨,伊東唯,遠藤真一,YOKOSAWA CAMPUS,平澤勝哉・由利子,ももたそ,川村昌宏,渡辺絵美,大江貴信,むらさめさん,名酒センター武舎裕子,涌田友美,佐藤直人,大河原禎哉,小森真幸

ごあいさつ
こんにちは。16代目の平井佑樹と申します。1991年10月12日生まれの31歳です。
私は県内最古の歴史を持つ菊の司酒造を営む両親のもとに長男として誕生し、大学を卒業してからは、実家の酒蔵でお酒造り、営業、広報などすべての業務に8年間取り組んできました。より広く全国、世界の日本酒愛飲家にお楽しみいただけるよう徹底した品質向上に取り組み、国税局鑑評会に加えてIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)などの市販酒コンペティションにおいても上位受賞。一部の高価格帯の商品だけではなく、醸造するすべてのお酒を美味しくお客様の元へお届けするために全力を尽くしました。しかし経営難から2021年3月に事業譲渡し、2022年1月に退職。以後、現在に至るまで私たち平井家の創業の地である紫波に場を移し、日詰平井邸をまちの家として現代によみがえらせるため活動しています。

日詰平井邸は1921年に私の高祖父にあたる12代目平井六右衛門が完成させた、平民宰相・原敬首相も訪れたことのある近代和風建築です。2016年に指定された国重要文化財であり、大正ガラス窓からのぞく庭の風景の揺らめきや、四方を取り囲むレンガ塀などによる特徴的な風景は、西洋から取り入れた建設当時の最新建築技術と、伝統的な和風意匠の融合によるもので、穏やかな時間の流れる空間を今に伝えています。




酒蔵を退職後、私はこの平井邸を私たち家族の再出発の場所と捉え、地域のみなさまや支えていただく多くのみなさまのご協力を得ながら、1年間利活用に取り組んでまいりました。平井邸が位置する日詰商店街で月に一度開催される朝市などの地域のイベントに併せて開放するほか、フォトウェディング、寄席、コンサートなど多種多様な企画を通してみなさまにお越しいただく事ができました。
これまで、一年のうち360日閉じていた門は開かれ、地域のみなさま、まちを訪れるみなさまに平井邸での時間をお過ごしいただくことができた、大きな一歩の年でした。

一方で、築100年を越える建物は着実に老朽化が進んでおり、国指定重要文化財として保存活用していくためには莫大な費用がかかります。このままでは日詰平井邸は次第に朽ち荒れ、平井家の歴史の出発点は失われます。何より、国指定重要文化財という地域資源を見守っていただいた地域のみなさまの期待を裏切ることになってしまいます。
地域のシンボルのひとつとして、私たちの先祖や地域のみなさまによって守り継がれてきた日詰平井邸を、「まちの家」として現代によみがえらせ、人々の交流点として未来に伝えていきたい。そんな想いが、今回のプロジェクトにつながりました。

私は昨年、日詰平井邸の活動をするかたわら、酒米栽培に挑戦しました。岩手県で開発された最初の酒造好適米「吟ぎんが」を栽培し、尊敬し信頼している2人の杜氏(浜千鳥・奥村康太郎さん、赤武酒造・古舘龍之介さん)にお納めし、私の育てた酒米を美味しい日本酒にしていただいております。
今まで酒蔵で毎日扱ってきた酒米が田んぼで育ち、収穫されるまでを初めて共に過ごし、農家さんのご苦労やお米づくりに懸ける想いを肌身で感じました。私を指導してくださった砂壁純也(しゃっかべじゅんや)さんは、菊の司酒造時代からお世話になっている農家さんで、ご自身が持っているノウハウを惜しみなくご提供してくださっています。天候に恵まれず収量が少なくなり、酒蔵のみなさんにはご迷惑をかけてしまいましたが、検査は全量一等を獲得することができ、農家一年目としては精一杯の品質のお米をお届けすることができたのは、大きな糧になっています。

このたび復活する日詰平井邸醸造所が造るお酒は、美味しいお酒を造るために共に汗水を流してくださる農家さんとの共同作品です。私はこの一年の経験を経て、稲作の楽しさに酒造りと同じくらい魅せられており、今後は農家として、醸造家として、「ihatov=イーハトーヴ」すなわちお楽しみいただく方の理想郷のようなお酒を求めて歩んでいきたいと考えております。
どうぞご支援の程、よろしくお願いいたします。
株式会社平六醸造
代表取締役・醸造家
平井佑樹